日本企業が陥りやすい海外取引の過ち(1)

日本企業が陥りやすい海外取引の過ち(1)



海外与信管理での取引先調査

日本企業が陥りやすい海外取引の過ちには、「取引先を調査しない」というのがある。

無論、全ての取引先を調査しないわけではない。特に、無名な未上場の新規先で実績もなければ、警戒するので取引先を調査する。

しかし、そこに、『紹介者』が入ってくると事情が違ってくる。

有力な取引先から紹介を受けた、地元の政治家や有力者から紹介を受けた、という経緯があると、それだけで相手を信用してしまい、与信してしまう。

また、意外に多いのが、経営者や取締役の紹介である。社内の与信管理規定では、与信対象とならない取引先でも、社長の「この会社は信用できるから大丈夫」などの鶴の一声で特別扱いになってしまうことが良くある。

その結果、十分な調査や審査もせずに取引を開始してしまい、後日、支払遅延などのトラブルになる。

紹介を受けたということと調査をすることは別次元の話である。紹介の有無にかかわらず、取引先は規定に従い調査をするべきだ。

また、新規与信時に調査をしたきり、一度も定期調査をしない企業がある。以前に、重点管理のところで述べたとおり、取引先の信用度に応じてランク分けや格付けをして、それに従い定期調査の頻度を変えることは大切である。

しかし、いくら有力企業であっても、5年も10年も調査をしなくていいわけではない。特に、海外の企業は情報が入手しにくい側面があるため、有力企業でも2~3年に一度は定期調査をすべきであろう。

人間の体と同じで、定期健診で思わぬ病気が発見されることもある。こうした地道な活動が、取引先の経営不振の早期発見につながっていくのだ。


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