訴訟に踏み切る前に検討すべきこと(2)

訴訟に踏み切る前に検討すべきこと(2)



海外弁護士起用法の留意点

また、欧米ではCollection Attorney (回収専門の弁護士)も多く、Contingent Fee (成功報酬)だけで回収を依頼できる。回収できない場合弁護士費用がかからないので、無駄なコストをかけずに済むという利点がある。成功報酬は、回収金額の30-40%が一般的だ。
債権額が数千万円と大きい場合は 、弁護士だからと臆せずに、積極的に値引きを要請してみよう。5%くらいは十分対応してくれる可能性はある。とくに米国など 、弁護士も競争が厳しく仕事を獲得するために、多少の無理は聞いてくれる。
ただし、実際の回収ではなく勝訴判決を得ることを成功とみなし、成功報酬を請求するという料金システムの弁護士もいる。そうなると、目的が回収ではなく勝訴になってしまうため、債権者の意向と乖離が生じてトラブルの基になりやすい 。依頼に際しては成功報酬の定義を十分確認する必要がある。
成功報酬の弁護士は総じて、報酬を得るために懸命に努力をしてくれる場合も多いが、あまりに複雑な案件や回収の可能性の低い案件は、見込みが薄いとしてきちんと対応してもらえない可能性もある。また報酬体系が、Hourly Charge (時間ごとの請求)になっている弁護士事務所もある。
思った以上に訴訟に時間がかかったが、結局債務者に資産はなく債権を全く回収できなかった。 挙句の果てに、莫大な弁護士費用までも負担させられたというケースもあるので、細心の注意が必要である。また、弁護士は業務に費やした時間に単価を掛けた金額を請求してくるわけだが、
実際に、弁護士がその業務を行っていたか検証する術はない。いわゆる、水増し請求などの可能性も考えられる。日本人的な感覚で海外の弁護士に依頼をすると、非常に落胆する場合がある。
「こちらは素人だから、それぐらいはこちらが聞かなくても最初から教えておいてくれ」というような考え方だ。海外の弁護士は、聞かれた質問にしか答えない場合が多い 。また、 依頼者に不利なことでも聞かれない限り黙っているという傾向がある。
例えば、前述の予備調究にして も、「勝訴の可能性は未知数だが、他に回収できる手段がないので、訴訟を起こすのが残された最後の手段である」というような結論が出てきやすい。依頼する側からあらゆる 可能性について分析するように、積極的に問い合わせていく方が良い結果が得られる。
そうした努力を惜しむのであれば、世界的なネットワークをもつ欧米の法律事務所や日本の総合法律事務所を使う方が 、コストは高いが安心して依頼できる。

 

※出典:牧野和彦 (2010) 海外取引の与信管理と債権回収


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