電子メールひとつでできる、カンタン海外送金

電子メールひとつでできる、カンタン海外送金



送金手数料がかからない!?ペイパルの仕組みとは

ここで、海外送金(入金)の主流になりつつある電子メールの活用について、代表的なPaypal (ペイパル)のモデルで解説しておこう。
ペイパルは1999年10月創業の米国ベンチャーで、その電子メールを使った決済システムは急速に普及している。現在、ペイパルは全世界約40か国で展開し、2,000万以上の口座(うち法人が370万口座)を獲得、毎日平均2万8,000人が新規に口座を開設している。

ペイパルの特徴は、何といっても送金先の電子メールアドレスさえわかれば、全世界に安全に送金ができるという利便性だろう。しかも、基本的に送金手数科はゼロである。ペイパルに口座をもっている顧客が、電子メールで送金を依頼すると、送金先のPCに入金を通知するメールが届く。送金を受けた相手が、実際に現金を受け取るにはペイパルに口座を開設しなくてはならないが、一度開設してしまえば、そのお金を小切手で受け取ったり、自分の銀行口座に振り替えたりできる。その受取人側の選択肢は次の三つがある。

●入金額を小切手にして郵送してもらう
●自分の銀行口座に振り替える
●ベイバルを活用して第三者への支払いに充当する

ただし、実は、サービスのすべてが無料というわけではなく、口座の種類によっ て、いろいろな制限がある。口座は次の3タイプだが、開設の費用はどれも必要ない。

•Personal (個人向け)
•Premier (ブレミア)
•Business (法人向け)

個人向けの場合は 、送金、受領、自分の口座への入金、銀行への振替えが、すべて手数料なしで行なえる。ただし、米国の銀行に当座がなければならない 。なお、個人向けでは送金者が クレジットカードを使って送金したお金は受領できない。
クレジットカードでの送金を受領する場合は、個人向けからプレミアに移行する必要がある。プレミアと法人向けは基本的に同じだが、受領に手数料が取られる点が違う。
そのほか、海外の銀行の場合は、銀行への振替えに手数料が取られる 。加えて、為替手数料を日本の銀行に支払うことになる。

日本でも当初はペイパルと提携していたあるネット専門銀行が、独自で似たような電子メール送金サービスを2002年7月から始めている。ペイパルとその銀行の提携がうまくいかなかった理由は定かではないが 、日本の銀行間の振込手数料の高さや法規制が障害となったのであろう。
現在、日本のユーザーがペイパルを使用する場合、自分のペイパルの口座に入金する方法は次の3通りがある。
•クレジットカードを利用する
•米銀の口座をもっていれば、それを利用する
•日本の銀行から振込手数料を払って、ペイバルの口座に振り込む

私自身はペイパルに口座を開設しているが、実際の送金や受領はまだ行なっていない。相手の海外の取引先が了承してくれれば、近々試してみたいと思う。
ペイパルがこれほど短期間に普及した背景には、ネットオークションやインターネットショッピングの普及以外にも、米国の小切手社会という”決済インフラ”も関係している。その点、ATM 、銀行引落し、銀行振込み、郵便振替えがインフラとしてきちんと整備されている日本では、米国ほどの爆発的な普及は見せないかもしれない。しかし、使い勝手はよいので、1 日の送金上限額が10,000ドルくらいにまで緩和されれば、送金ベースの国際決済も行ないやすくなる。

 

※出典:「海外取引の与信管理と債権回収の実務」(牧野和彦著、日本実業出版社刊)


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